キミを好きになるなんて、絶対にありえないっ!
「…………」


 朝陽くんこと、成瀬朝陽(なるせ あさひ)の方を、横目でじーっと見つめる。

 成瀬は、いつもと同じように大きなグループの中心で、恋バナで盛り上がりながらみんなと一緒に昼休憩を過ごしていた。

 ……確かに、顔は整っている。それに、目はくっきりとしているし、肌もきれいだし、顔のバランス自体は整っていると言える、けど……。

 でも、言うほどかな……。


「──あっ、もしかして、春華まで朝日くんのこと好きになった?」


 ん? ……気付かれないようにしているつもりだったけど、バレて誤解されちゃった?

 ……そういうのじゃ、ないのに。


「……ち、違うよ〜!」


 ……変じゃ、ないかな。私は無理矢理にでも笑顔を作りながら、空気を壊してしまわないよう、陽気な声でそう答えた。
< 3 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop