工業高校のイケメン達に愛されて【番外編】
「…楽しかったな。」
浮き輪にはまって足をバタつかせながら泳ぐ緋奈も、俺に水をばしゃばしゃとかけていたずらをしてくる緋奈も、浜辺で綺麗な貝殻を見つけて喜んでいる緋奈も。
全部がかわいくて、今日の緋奈のはしゃぎっぷりを思い出してフッと笑みを漏らす。
すると。
「…んん、楽しかったぁ…。」
眠っているはずの緋奈が俺に続いてそんなことを言うものだから、起きていたのかと思って顔を覗き込んだ。
…けど、目をつぶったまま口をむにゃむにゃと動かしている。
…やっぱ、寝てんのか。
夢の中で、緋奈も今日の余韻に浸ってんのかな。
そう考えると、愛おしくてまた笑みを浮かべる。
…また、ふたりで来ような。
心の中で緋奈にそう語りかけ、さっきまで遊んでいた海を電車の窓越しに眺めながら、それに沈んでいくオレンジ色の太陽の光に目を細めた。
緋奈×翔-Summer-終