工業高校のイケメン達に愛されて【番外編】
「女の子は、男より風呂長いもんっしょ?」
「え?そ、そうなのかなあ?」
「そうそうっ!僕たちはパパっと洗って、さっさと出てきちゃったし!」
坂口くんに頷いた陸くんが、身ぶり手振りで頭を洗うジェスチャーをした。
「俺は暑いの苦手だから、あんま温泉に浸かれなかった。」
そういう滝本くんは、頬が火照っていてまだ体の熱が冷めていなさそうだ。
そっか、みんなはあまり温泉に浸からなかったのかぁ。
あたしよりだいぶ早く大広間に着いていたのに納得した。
「…緋奈、浴衣似合う。」
すると、翔くんにさらりとそう褒めてもらえて、あたしは目を見開いた。
「へっ…あ、ありがとう…!」
わああ、翔くんに褒められちゃった…!
嬉しい…!!
旅館の浴衣を着る機会って少ないから、きちんと着れているか正直不安だったんだけど…。
その不安は、翔くんのひとことで綺麗さっぱり払拭されてしまった。