工業高校のイケメン達に愛されて【番外編】
「え?」
「…いや、なんでもねぇ。」
何を言ったのか、聞き返そうと思ったんだけど教えてくれなくて。
「ほら、おやすみ。」
まるで強制終了されたかのように、少しぶっきらぼうにそういって自身の胸にあたしの顔を埋めた翔くん。
翔くんのトクントクンという、心地いい穏やかな心音が聞こえる。
あたしの頭を撫でてくれる手が、あったかくて優しい。
この手のぬくもりに落ち着いてしまって、聞き返そうと思ったことも、気にならなくなった。
そして…翔くんのぬくもりのおかげで、いとも簡単に眠気に誘われる。
ゆっくりと、視界が狭まって。
「…おやすみ…なさい。」
翔くんの胸の中でそう呟いて、ゆっくりと目を閉じた。