工業高校のイケメン達に愛されて【番外編】
てか俺、寝れんのかこれ…。
いや、無理だ。
さっきは余裕ぶったけど、こんな…緋奈とくっついているこの状況で、今までで一番近い緋奈とのこの距離感で、眠れるわけがない。
俺は…それでも別にいいんだけど。
眠れないことより、緋奈がすぐ近くにいてくれる方が何倍も幸せだ。
緋奈の柔らかい髪を撫でていると、再び緋奈が身じろぎをする。
「ん〜…翔、くん…」
「…ん?」
俺の名前を呼んだ緋奈は、またすーっと寝息を立てる。
寝言…か?
俺の夢でも…見てんのかな。
一体、どんな夢を見ているんだろう。
「…好きぃ……」
「………。」
穏やかな寝顔で口をむにゃむにゃと動かしながら、まさかの言葉を発してきやがった。
夢の中でも、素直に俺に好きだと言ってくれる。
いつでもかわいすぎるんだ、緋奈は…。
緋奈のせいで、逆に目が覚めた。
…やっぱこりゃ、寝れねぇわ。
緋奈のかわいさに悶え続けながら…俺は緋奈の隣で眠れない一晩を過ごした…。
緋奈×翔-Autumn-終