工業高校のイケメン達に愛されて【番外編】

-Winter-




「進路希望調査票は3学期の始業式に提出だからな。忘れないようになー。」



高校2年生の2学期、最終日、つまり終業式。


もうすっかり季節は真冬で、厳しい寒さに震える毎日だ。


進路…かぁ。


担任の先生の言葉を聞いたあたしは、ぼんやり物思いに耽った。


あと一年と少しで、この高校を卒業しちゃうんだ。


…きっと、卒業まであっという間なんだろうな。


はっ、今から寂しいなんて考えちゃダメだ…!


まだ、みんなと学校生活を楽しむ時間はあるんだから。


それに、進路のこと…きちんと考えなきゃ。


先生に配られた調査票を見つめて、心の中でうーんと唸った。


そんなあたしをよそに、二学期最後のSHRが終わったクラス内は、わいわいと賑わっている。



「緋奈。帰ろう。」


「うんっ!」


< 60 / 89 >

この作品をシェア

pagetop