工業高校のイケメン達に愛されて【番外編】
昨年あたしがクリスマスプレゼントにあげたマフラーを身につけた翔くんに声をかけられた。
配られた調査票と教材をスクバに詰め込み帰りの支度を済ませ、翔くん、陸くん、坂口くん、滝本くん____いつもの4人とともに教室を出て行った。
「なあ、みんな進路どーすんの?やっぱ就職?」
下駄箱で靴を履き替え、校門へ向かう途中に滝本くんがみんなに首を傾げた。
「そうだねぇ、俺は就職かなぁ〜。」
「俺もだ。」
「魅斗と優介は就職なんだぁ。僕は…実は進学にしようか迷ってるんだよね〜!」
工業高校は、どちらかというと進路は就職希望の生徒が多い。
陸くんは、進路に迷っているんだ。
…実はあたしも迷っている。
進路のこと…考えてない訳では、ないんだけれど。
あたしの中で迷いがあって、翔くんやみんな、お母さんにもまだ何も話していない。
…翔くんとは、進路のことは詳しく話したことないけど、翔くんには夢はあるのかな?