マシュマロより甘く、チョコレートより苦く-extra edition-
「…朝倉さん。よかった」
目を開いて一番最初に見えたのは、修斗くんの顔だった。修斗くんは私をベッドに寝かせてくれていたようだった。私はがばっと起きて修斗くんと目を合わせる。
「なんで修斗くんが…」
萌映は?それに、…絵留さんは…?
「絵留は俺の彼女でもなんでもないから。だから、帰ってもらった」
「…え」
私は驚いて彼を見つめる。彼はちょっとため息をついた。
「絵留さんは俺の先輩なんだけど、デートしろだのうるさくて。先輩だしこれまでたくさん断って来たし、そろそろ一緒に行かないとかなって」
「じゃあ、絵留さんのことは…」
「別に好きじゃないよ」
その答えに、私は安堵する。よかった、付き合ってたわけじゃなかったんだ…。
「なんでそんな質問をしたの?」
「そ…っ、それは…」
言葉に詰まる。なんでそう聞いたの…?
「言ってくれないと分からない」
なんで私は修斗くんに彼女がいるかいないかで一喜一憂しているのか。
考えなくとも、答えは明確だった。