キミじゃなければ…
あと一歩で屋上。
告られるのかな…
足取りは素晴らしく重かった。
「悪りぃな、こんなとこ呼んで…」
天月の視線が泳ぐ。
「お前に言っておかないといけないことがあって…」
「なに?」
「実は…お前の中学の初恋の相手なんだけどよ、初デートに来なかった…よな?」
「え…」
なんで知ってるの…?
この人、ストーカー…?
「いや!ストーカーじゃねぇよ?ただ…」
「ただ、なに?早くしてよ、桜待たせてるんだけど。」
「そうだな、じゃあ。。実はな、お前の初恋の相手、俺の双子の弟だったんだ。」
ウソ…双子の…?
「あの日は凄え雨だっただろ?アイツその前に待ち合わせ場所に居たんだよ。」
「え?デタラメ言わないでよ。私が行った時にはいなかったわよ。捨てられたのよ、私ーー」
「違う!!アイツは…弟はあの時お前を庇って事故に巻き込まれたんだ…」