キミじゃなければ…
思考回路が停止した。

「ちょ、何言ってんのよ。なんで私を庇ったって言えるのよ!」

「弟は飲酒運転で美央の方に行きそうになった車を止めようと、飛び出したんだ…ドライブレコーダーにもその現場が映ってる。俺が駆けつけた時にはもう、息を引き取ってた。」

「………」

何も言えず、ただただ涙が溢れた。

そんな私の背中を天月はそっとさすってくれる。

そして、ふんわりと腕の中に包み込まれた。

「だから、あのキスは弟の代わり…というか…」

途切れ途切れに頷く。

「いや、違うな、俺、美央が好きだ。」
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