お願い、名前を呼んで。
戸惑いの朝
頭が痛い。完全に二日酔いだ。

私は自分のベットの上で寝ていた。
でも、竹内君と飲んだ居酒屋からここに帰って来るまでの記憶がない。

時計を見ると、6時半を過ぎたところ。
取り敢えず、寝坊をしてないことに安心する。

痛い頭を抱えながら起き上がると、私は下着姿だった。

寝室のドアノブには、昨日着ていたスーツが掛けられていた。

部屋には誰もいないのに、いつもと違う空気が漂っている。

何？何が起きたの？

昨日の夜の出来事を必死で思い出そうと試みる。

「うーん、駄目だ。思い出せない。」

微かに残っているのは、温かい腕に包まれた感触と「優香」と呼んだ耳元での囁き。

夢？現実？

どちらにしても、その相手が竹内君であることは、間違いなかった。

何故なら、私も「隼人」って呼んだ気がするから。

どうしよ、酔った勢い？
この歳になって、そんな事ある？

私の頭は、二日酔いも相まって完全にパニック状態だ。

目を覚まさなきゃ、シャワーを浴びよう。
こんな時でも仕事は休めない。
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