お願い、名前を呼んで。
今は、竹内君のことでうだうだと悩んでる場合じゃない。こんなのじゃ、折角頑張ってくれているメンバーにも申し訳が立たない。

私は、今は自分を奮い立たせるしかなかった。
心のモヤモヤを奥底に仕舞い込んで。

改めて、アクトの谷口さんにメールを打ち始める。

元々、今回のプロジェクトでもアクトに資材をお願いする予定だったから、既に概要は説明している。

だから、今回のお礼と必要資材の変更の詳細を連絡して、改めて見積もりを貰えるように依頼をした。

谷口さんからはすぐに返信があった。

そこには、竹内君から既に事情を聞いていること、割引については、既に上司にも承認を得ていること、私達の要望に沿った見積書を作成中であることが書かれていた。

そして、午後には、私達の予想以上に割引がされた見積書が届いた。
心温まるメッセージと共に。

『今回の見積りは、野崎さんのための特別仕様に
なってます。だから、このプロジェクトを、絶対に成功させて下さいね。
今後とも末永くお付き合いをお願いします。』

こんな風にひとつの同じ目標に向かって繋がっている。私はやっぱりこの仕事が好きだ。
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