お願い、名前を呼んで。
藤田さんと並んで、駅へ向かう。

「本当にこの数ヶ月はお世話になりました。
『ありがとうございます』だけでは足りない感謝の気持ちでいっぱいです。」

「あっという間だった気もするけど、色々と大変なこともあったよね。僕が言うのもおこがましいけど、野崎さんはこのプロジェクトを通して、一回りも二回りも成長したと思うよ。それは、全て野崎さん自身の努力の結果だと思うけどね。」

「明日は、堂々とあの場所に立とうね。誰にも負けないぐらい胸を張って。」

「はい、今までの仕事でも充実してましたが、こんなに達成感のある仕事は初めてです。明日のことを思うと、今から緊張で手が震えて来ます。」

「そう言えば、明日は竹内も来るんだろ?」

「はい、沢村君と一緒に来てくれるって。」

「そうか、良かったね。そう言えば、このプロジェクトが始まった頃は、二人はまだ、「同期」って言う関係だったのに、今じゃ公認のカップルだもんね。僕も感慨深いよ。」

「その節は、大変お世話になりました。」
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