夏の花火があがる頃
出張から帰ってきた次の日は、さすがに仕事は休みにしている。
めぐみに連絡を入れたら、その日は仕事があるのでそのまま悠也の家に来るとのことだった。
萌から「あの夜はごめんなさい」と連絡は入っていたが、既読をつけたまま無視をしている状態だ。
はっきりと関係を白黒つけなければならないということは分かっているが、今は何も話をしたくなかった。
それにめぐみとは、付き合ってる訳でもない、友人ともまた違う、そんな曖昧な関係のまま二週間以上一緒にいる。
特に男女の関係でもない今、萌に何かを言われる筋合いはなかった。
ベッドの上で慎吾の日記を開いた。