闇夜に咲く芍薬のように



「ここはどこ?」


「…ここは、涼の都 洛東だ。」



涼りょうの都…洛東(ルオドン)


ふと口をついて出た言葉に、羅陽さんはそう答えた。


ーーどこだそれ…。外国?



はたまた、天国…?




「あの、ここって…ーー」


「きゃー!!」



どこなのか聞こうとしたその時、急にそんな甲高い声が響いた。



(ルオ)家の(ヤン)様よ!」


そんな声と共に、髪を綺麗に結った三人の女の子達に囲まれた。

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