闇夜に咲く芍薬のように
女の子達は皆、これまた着物とチャイナドレスが混ざった…まるで織姫のような格好をしており、頭には華やかな簪をいくつも挿さしている。
綺麗に化粧をされた顔は美しく、洗練されている。
「羅陽様、ご機嫌麗しゅう。」
「これは、周家のご令嬢方。
高貴な姫君が街歩きとは珍しい。」
両肘を張り、手を前で組んだまま膝を折る不思議なお辞儀をした彼女達に、羅陽さんはにこやかにそう答えた。
「わたくしたちは、こちらに簪を見に参りましたの。」
まさに目がハートになっている三人のうちの一人がそう返した。