闇夜に咲く芍薬のように
ーー確かに、この世界で花柄のシフォンワンピースは目立つわね…。
自分の体に視線を落とした後、
先程わざわざ衣で隠すようにお姫様抱っこをしていた羅陽の行動に妙に納得がいった。
「美麗様、どうぞこちらへ。」
侍女に案内されて、向かったのはお屋敷の西側にある棟。
「こちらでございます。」
そこは、幾何学模様の格子が美しい大きな窓がある部屋で、奥の続きの間には天蓋付きの豪華なベッドがあった。
「私は身の回りのお世話をさせていただきます夢華と申します。」
その部屋で控えていたのは、まだ12.3歳くらいの幼い少女だった。
笑った時にできるえくぼが可愛い女の子だ。