闇夜に咲く芍薬のように
「私は…っ。」
ーー私は関係ない。
そう言いたいのに、羅陽の見下ろす冷たい瞳と、視線だけで人を射殺してしまうような威圧感に、恐怖で言葉が出ない。
「この件で、捕らえられれば、キミは二度と太陽の光には当たれまい。一生、牢の中だ。」
「…………。」
一生…。
「…私は、何も知らないわ。
気づいたら、あそこに…。」
「その言葉を裏付ける証拠は?」
ーー証拠?
そんなのあるわけない。
だってそもそも私は、この世界の人間じゃないんだから…。