闇夜に咲く芍薬のように
『ーーもしキミが捕まらない方法があるとすれば、それはこの屋敷で、私に監視されることだ。』
昨日の朝、大学に行く途中にトラックに跳ねられた私は、気づいたらこの奇妙な中華風の世界にいた。
そして、なぜか、犯罪組織の隠れ家とやらで目を覚ましたのだ。
あそこにいた理由は覚えてないし、もちろん説明をすることもできない。
そんな私は、帝都の“見張り役”だという羅陽ルオヤンという男に、牢屋に入れられる代わりに匿われることになった。
ーーなぜか、恋人として。