闇夜に咲く芍薬のように


「それに、キミは曲がりなりにも私の恋人だ。
枕を共にするのは当たり前だろう?」



「…………。」



そう言って口角を上げる彼に、男性に免疫のない私はあっさりと頬を染める。



「頬が真っ赤な林檎みたいだ。」



そんな言葉を耳元で囁かれたと思ったら、体が暖かい熱に包まれた。



「な、何するの。」



抱きしめられた腕の中で、さらに頬が染まって行くのがわかる。

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