闇夜に咲く芍薬のように




「では、行ってくるよ。」



朝餉を済ませた後、沐浴をすると部屋に戻った彼。


そしてしばらくすると、仕事に行くからお見送りをしろと言われ、堂屋へ呼ばれた。



「…いってらっしゃい。」



なんだか新婚さんの会話みたいで、恥ずかしくて尻窄みになる声。



「夕方には帰るから、いい子で待ってるんだよ。」



羅陽ルオヤンはそう言って牛車に乗り込み仕事へ出かけた。

< 38 / 40 >

この作品をシェア

pagetop