闇夜に咲く芍薬のように
「ただ無心に仕事に励んでおられて…まさに仕事の鬼、ですね。」
「ねぇ、夢華モンファ。羅陽の仕事って、どんなお仕事なの?」
昨日も犯罪組織の隠れ家に突入して悪者を逮捕していたし、本人も自分は“皇都の見張り役”だと言っていたけど…。
彼は日本でいう警察官みたいなことをしているのかしら。
「申し訳ありません。羅ルオ家のお仕事については私からお話はできないんです。
旦那様に直接お聞きください。」
夢華モンファはそう言って困ったように眉を寄せた。
「そうなの…。」
それなら仕方ない。これ以上聞いても夢華モンファが困るだけだ。
そう思った私は口を噤んだ。