闇夜に咲く芍薬のように



「そんな真っ青な顔をして…。可哀想に。」



羅陽ルオヤンと呼ばれた男はそう言って私の手を引き立ち上がらせたと思ったら、



「きゃっ。」



お姫様抱っこで抱え上げた。



「我が屋敷で話を聞こう。」



抱え上げられ動きを封じられた私は、しばらくはジタバタと脚を動かしたが、結局諦めて体の力を抜いた。



「後は頼んだ。」



彼は側で控える兵士にそう伝えると、私を抱きかかえ、部屋を後にした。

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