Livre magic〜好きな人の大切な人〜
眩しくなくなって目を開けると、そこには真っ白な髪の男の子が同じように真っ白な髪をした女の子と笑ってはしゃいでいる。男の子は僕たちが戦うことになった物の怪だ。二人は仲良く話しながら雪だるまを作って遊んでいる。

二人の顔はよく似ているから、恐らく兄妹だろう。僕は一人っ子だったから少し羨ましい。

そう思った刹那、目の前がぐにゃりと歪む。何だこれ、気持ち悪い……。

歪みが消えた後、そこにあったのは先ほどの微笑ましい光景ではなかった。あの女の子がベッドの上で眠っている。お医者さんらしき人が首を横に振って、あの男の子や家族と思われる人たちは女の子を取り囲んで泣き出した。

「何で……何で……死んじゃったんだよ!!」

男の子はそう言い、ずっと泣き続けていた。景色が何度も歪んで、女の子のお葬式などの景色が映し出されたが、男の子はどの景色でも泣いていた。

「逢いたい……逢いたいよ……」

男の子だけ、いつも泣いている。それだけあの女の子が大切だったんだろう。ギュッと胸が痛んだ。
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