Livre magic〜好きな人の大切な人〜
シャルロットがそう言い、メルキュールも「そうだね。僕は医者じゃないからね」と返す。強制的に病院に行くことが決まってしまった。

「それにしても、今回の物の怪は奇妙だったな」

リオンが言い、僕は「どういうこと?」と訊ねる。リオンは戸惑ったように口を開いた。

「物の怪って、普通は首を斬り落とさないと死なないだろ?今回の物の怪、心臓を刺しただけで消えていったんだ。その時、物の怪は泣いていて……。まるで人間みたいだなって……」

人間みたいだった……。その言葉に、僕は先ほど見た夢?を思い返す。あの夢みたいなものと何か関係があるのかな?

深く考えそうになって、後にしようと考える。今はみんなに言わないといけないことがあるからね。

「みんな、僕の代わりに戦ってくれてありがとう」

僕がそう言うと、みんな優しく微笑み返してくれた。さあ、元の世界へ帰ろう。

「天国で、二人は涙ながらに微笑んだ」

僕がそう小説の終わりを口にすると、白い光に包まれる。帰る直前、「待って」という声が聞こえた気がした。
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