Livre magic〜好きな人の大切な人〜

僕はカズに話しかけるエリカをジッと見つめた。エリカの隣にはメルキュールもいる。何だか二人の距離が近いような気がして、モヤモヤとしてしまった。

メルキュールはエリカのことをどう思っているんだろう？前世で誰かが好き、どんな女の子が好き、という話はしてこなかったため、モヤモヤしてしまう。

モヤモヤする気持ちに、初めて僕はエリカに恋をしているのだと気付いた。恋心を自覚してからは、エリカの些細なことにドキッとしてしまう。

今日は歓迎会のため、食事はビュッフェとなっている。僕は小皿を手に取り、モヤモヤする気持ちを誤魔化すためにローストビーフを皿に盛って食べ始めた。

「先生もそれ、好きなんですか？おいしいですよね。私も好きなんです！だから多めに作っちゃいました」

モヤモヤしながら食べていると、突然話しかけられてむせそうになる。いつの間にかエリカが隣にいたんだ。

「そ、そうなんだ……。とってもおいしいよ。やっぱりお肉はおいしいね」