笑顔の花が咲くまでは#1~特殊捜査員になります~
「……もう一度、言わせてほしいの。2人とも、特殊捜査チームの特殊捜査員になってほしい」

「好きにすればいい」

そう言ったフィオナを見つめたエヴァンは、シオンたちに目を移す。

「……君は、どうするの?」

「僕も特殊捜査員になります」

エヴァンの言葉に、シオンは頷いた。



フィオナとエヴァンは、シオンの後をついて特殊捜査チームの本部のある場所に向かう。とある一軒家の前で、シオンは立ち止まった。

「ここよ」

「……ここですか?」

エヴァンは、家を見上げて首を傾げる。

「ええ。私たちは、特殊能力を持っていることを除けばただの一般人だからね。このチームの存在を知っているのは、警察の組織で極わずか。その代わり、一般の警察には出来ない捜査方法を用いて事件を解決しているの」

そう言って、シオンとサルビアは家の中に入っていった。フィオナとエヴァンは「失礼します」と言いながら、家に入る。

「ただいま」

リビングのドアを開けながら、サルビアは言った。

「……おかえり」

椅子に座っていた銀髪に黒目の男性が、サルビアを見つめてから言う。

「おかえり!シオンさん、その子たちは?」

赤みがかったゆるふわのロングヘアーに緑目の女性は、フィオナとエヴァンの姿を見つめて首を傾げた。

「……今日から特殊捜査チームに入ることになった人たちよ」
< 4 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop