白き髪のガーネット【改訂版】
序章

遥か遠い昔の話。
この世界は、悪の力を持った悪い悪い魔法使いに支配されていたんだって……。
(しいた)げられる日々に、人々は嘆き、苦しみ……。ただただ耐え抜き、祈る事しか出来なかった。

誰か、この世界を……。
私達をお救い下さいーー!!

すると、全ての人の祈りが一団となって奇跡を起こした。
その祈りは天界の神様に届き、選ばれし者達は悪しき魔法使いに対抗すべく不思議な力を授かる。

光の力を授かった勇者を筆頭に、炎、水、風、大地……。自然の力を授かった-神子(みこ)-達は光の勇者と力を合わせ、悪しき魔法使いを倒し、長期に渡った地獄のような日々からこの世界を救った。

そして、二度と同じ事が起こらないように……。
強力な力を持つ者が己の欲望だけで支配する世界にならないように、光の勇者は自然の神子達と共に平和な国創りを目指したのでした。


ーーけれど、それは昔の話。
強力な力を持つ者が、より強力な力を求める事は自然な事。
それぞれの国を持った神子の末裔達は、ちょっとした考えの違いから、己の国をより豊かにしようと野望を抱く者が現れ、内乱が起こる。

光の王はそれを抑えようと説得を続けるが、炎の王が抱いた野望が鎮まる事はなかった。
光の王の目を盗み、密かに企てられた策により炎の王は豊かな地を求めて水の国を攻撃。
水の王を始め、たくさんの水の国の命が奪われる……、……。
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