白き髪のガーネット【改訂版】
第4章
【ガーネット15歳】
「……出来ました。
とってもお綺麗ですわ、ガーネット様」
離宮自室の鏡台の前。
髪を綺麗に結い上げて、丁寧にお化粧をしてくれたメルが白いドレスを着た私に微笑みかける。
「ありがとう。メルの腕がいいからだよ。
私じゃこんなに上手くお化粧とか髪型とか出来ないもん」
顔を見合わせて私とメルは微笑った。
すると、そのタイミングでコンコンッと部屋の扉がノックされ、返事をしたメルが出迎えに行くと……。
「お迎えに参りましたよ?花嫁さん」
優しい、大好きな声。
鏡台の鏡越しに映って見える、正装をして普段よりも一層格好良いクー兄様。
背を向けている私に手を差し出して優しく微笑んでいる。
今日は、私の15歳の誕生日。
そして、クー兄様の側室になる日。
……けど、正直私は納得していない。
何故かと言うと、それは急遽私が側室になる事が決まった理由にある。
今年27歳のクー兄様。
ここまで側室も持たずに来た為に、ついにある噂が立ってしまったのだ。
その噂とは……、……。
「どうした?ガーネット。照れてるのか?」
クスクスと微笑みながら、鏡台の前から動こうとしない私の間隣にくるクー兄様。その様子に私はムッとして椅子から立ち上がるとクー兄様に詰め寄った。
「照れてるのか?……じゃないです!
クー兄様の同性愛疑惑の為に、急遽側室になる私の身にもなって下さいっ!!」
ーーそう。
クー兄様に立った噂とは、女性に興味がない。つまり、同性愛者なのではという疑惑。
これが私が素直に側室になる事を喜べない理由だ。
大好きなクー兄様。
これから私も大人の女性になっていけば堂々とお傍には居られなくなるし、このタイミングで側室になるのは確かに都合が良い。
「……出来ました。
とってもお綺麗ですわ、ガーネット様」
離宮自室の鏡台の前。
髪を綺麗に結い上げて、丁寧にお化粧をしてくれたメルが白いドレスを着た私に微笑みかける。
「ありがとう。メルの腕がいいからだよ。
私じゃこんなに上手くお化粧とか髪型とか出来ないもん」
顔を見合わせて私とメルは微笑った。
すると、そのタイミングでコンコンッと部屋の扉がノックされ、返事をしたメルが出迎えに行くと……。
「お迎えに参りましたよ?花嫁さん」
優しい、大好きな声。
鏡台の鏡越しに映って見える、正装をして普段よりも一層格好良いクー兄様。
背を向けている私に手を差し出して優しく微笑んでいる。
今日は、私の15歳の誕生日。
そして、クー兄様の側室になる日。
……けど、正直私は納得していない。
何故かと言うと、それは急遽私が側室になる事が決まった理由にある。
今年27歳のクー兄様。
ここまで側室も持たずに来た為に、ついにある噂が立ってしまったのだ。
その噂とは……、……。
「どうした?ガーネット。照れてるのか?」
クスクスと微笑みながら、鏡台の前から動こうとしない私の間隣にくるクー兄様。その様子に私はムッとして椅子から立ち上がるとクー兄様に詰め寄った。
「照れてるのか?……じゃないです!
クー兄様の同性愛疑惑の為に、急遽側室になる私の身にもなって下さいっ!!」
ーーそう。
クー兄様に立った噂とは、女性に興味がない。つまり、同性愛者なのではという疑惑。
これが私が素直に側室になる事を喜べない理由だ。
大好きなクー兄様。
これから私も大人の女性になっていけば堂々とお傍には居られなくなるし、このタイミングで側室になるのは確かに都合が良い。