白き髪のガーネット【改訂版】

……でもさ。
私だって、女の子だもん。

そんな理由じゃなくて、こんなに焦ってじゃなくて、ちゃんとクー兄様の口から告白されたかった。

勿論、結婚と言っても私は側室。
私に限らず、本来側室を迎える時は特にたいした婚儀はないと聞いた。こうしてドレスを着せてもらって、この離宮内だけでもお祝いしてもらえるんだから満足すべきかも知れない。

けど、やっぱり悲しいよーー。

複雑な気持ちを抱えて表情を歪ませる私。
すると……。


「……。
メル、みんなに謝っておいてくれ」

クー兄様はそう言ったかと思うと、私を突然お姫様抱っこした。

「っ?……きゃあッ!」

「悪いけど今日はガーネットと1日ゆっくり過ごしたい。
誰にも邪魔しないように伝えておいてくれ!」

クー兄様の言葉にメルは微笑んで頭を下げる。
そんなメルにウインクすると、クー兄様は私を抱き上げたまま部屋を出た。

……
…………。
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