白き髪のガーネット【改訂版】
「ははっ!いや~熱烈な告白をありがとう、ガーネット。
こんなの、っ……初めてだよ」
笑われた意味が分からなくて、少しムッとしながら見つめていた私の頭をポンポンッと撫でると、クー兄様は微笑んだ。
その優しい笑顔に思わずドキッとするものの、何だか腑に落ちない。
「うん、なんて言うかな……。そのっ……すごく、っ……グッときた、よッ」
だって、クー兄様まだ笑ってる。
懸命に堪えてるつもりだろうけど、全く堪えられておらず身体が震えてる。
っ~~~~!!
そんなクー兄様の様子に、なんだかすごく恥ずかしくなってきた。
こんなに笑われるなら言わなきゃよかった。と、羞恥で涙が滲んでくる。
「っ……そんなに、笑わなくてもっ……。
クー兄様なんてっ……もう知らない!!」
せっかく頑張ったのに酷いーー。
私はクー兄様の手を振り払うと逃げるようにバルコニーから中へ入り、部屋を早足で出て行こうとした。
けれど、ドアノブに手をかけて回そうと思った瞬間。背後からその手を掴まれて、そのままクー兄様に力強く抱き締められる。
「っ……待って!ガーネットッ!」
「は、放してっ……!」
今にも泣きそうな顔を見られたくなくて振り解こうとするが、ガッチリ抱かれていて逃げられない。
それでもジタバタと腕の中から抜け出そうとする私の耳元で、クー兄様が囁く。
「……ごめん。
ごめん、ガーネット。……許して?」
「っ……」
耳元に響く優しい声と、動く唇が微かに耳に触れてビクッと身体の力が抜けてしまう。
抵抗する事なんてあっという間に吹っ飛んでしまって、私の手を掴んでいたクー兄様の手を握り締めるようにして腕の中に収まっていた。
「……色々と誤解があるみたいだから、聞いて?
確かに今回の事は例の噂と重なってしまったけど、私はガーネットが15歳になったら初めから妻にするつもりだった」
私を背後から抱き締めたままクー兄様が口を開く。