白き髪のガーネット【改訂版】
「ずっと待ってたんだよ?
ガーネットが大人になる日を、ずっと……」
「っ……」
ゆっくりと伝えられるクー兄様からの、告白。
鼓動が高鳴って、さっきまで恥ずかしさで真っ赤だった顔が、別の想いで熱くなるのを感じた。
クー兄様は腕の力を緩めて、私の肩に軽く手を添えると向かい合うように身体を自分の方に向かせる。そっと見上げると、そこに在るのは”特別な人”を見つめるクー兄様の瞳。
「”誰よりも”、なんて考えなくていい。私の妻は、生涯ガーネットだけだ。
私が愛しているのは、お前だけだよ」
「っ……クー、兄様」
信じられないーー。
そう、思ったけど……。今までの疑いとは、違う。
自分が母様の代わりにされているかも知れない、と感じたあの時とは違う。
嘘偽りないと感じる、クー兄様の言葉と表情。
それが嬉しくて、夢のようで信じられない。
「今すぐは無理だけど……。必ずお前を正室に出来る世を、俺が創ってみせる」
そう言ってクー兄様は地面に片膝を着くと、感動でただただ見つめる事しか出来ない私の手を取って、真っ直ぐな瞳で見上げる。
「……約束する。幸せにする。
だから、俺と結婚して下さい。ガーネット」
「っ……!」
すると。答えるよりも先に、涙が溢れると同時に、私の身体は動いて……。目の前で跪くクー兄様に抱き付いていた。
そんな私を優しく包んでくれる愛おしい腕の中。
「返事は?ガーネット」
背中をポンポンッと叩かれて、私は必死に涙を拭いながらクー兄様を見つめて微笑む。
「っ……はい。
私も、愛してます。クー兄様」
「……。
”クー兄様”、じゃないだろ?」
けれど。私の返事に不満そうな顔をすると、クー兄様は私と額と額をくっ付けて見つめながら言った。