白き髪のガーネット【改訂版】
***
まだ炎の国と水の国が今ほど仲が悪くなかった頃ーー。
ガーネットの父親のノクテ様は頻繁に炎の国を訪れ、この先の平和を願って跡継ぎである俺との友好を深めようと努力してくれていた。
親友、というよりは7歳年上だった彼は尊敬する兄のような存在。優しくて面倒見のいいノクテ様が俺は大好きで、一緒に剣の稽古をしたり、狩りに出掛けたりしていた。
次第に互いの国が不仲になっていった時も、俺達は個人的に連絡を取り合い信頼し、約束し合っていた。
"今は国同士が分かり合えなくても、いつか自分達が王になり国を治めるようになったら、共に手を取り合い平和な世界を創ろう"、とーー。
そんな、夢を見ていた。
……
…………でも。ある日事件が起こる。
18歳の誕生日。
俺は父親である現炎の国王に呼び出された。
父上の事は尊敬している。
炎の国をここまで豊かで、他国に恐れられる程強大にしたのは、父上だと言っても過言ではなかったから……。
やり方は賛同し難い時もあったが、この国の民にとって立派な国王である事に違いはない。
そんな父上からの呼び出し。
正直、嫌な予感がした。
……けれど。父上が言った言葉は、俺の待ちに待った言葉だった。
「水の国と同盟を結ぼうと思う。
その交渉をお前に任せよう、クウォン」
嬉しくて、嬉しくて……。
これで、ノクテ様と争わなくてすむのだと……。
願いが叶い、約束を果たせ、これからは一緒に歩んでいけるのだと喜んだ。
……馬鹿、だった。
父上がそんなに簡単に考えを変える人じゃないと、分かっていた筈だったのに……。
俺は若くて、未熟で……。
ただ嬉しさが暴走して、父上の言葉を信じてしまった。
数日後ーー。
水の国の持つ砦で、俺はノクテ様と交渉の場を設けていた。
ノクテ様もとても喜んでくれて、同盟の話を快く引き受けて下さって……。
全てが上手くいくと、思っていた時だった。
まだ炎の国と水の国が今ほど仲が悪くなかった頃ーー。
ガーネットの父親のノクテ様は頻繁に炎の国を訪れ、この先の平和を願って跡継ぎである俺との友好を深めようと努力してくれていた。
親友、というよりは7歳年上だった彼は尊敬する兄のような存在。優しくて面倒見のいいノクテ様が俺は大好きで、一緒に剣の稽古をしたり、狩りに出掛けたりしていた。
次第に互いの国が不仲になっていった時も、俺達は個人的に連絡を取り合い信頼し、約束し合っていた。
"今は国同士が分かり合えなくても、いつか自分達が王になり国を治めるようになったら、共に手を取り合い平和な世界を創ろう"、とーー。
そんな、夢を見ていた。
……
…………でも。ある日事件が起こる。
18歳の誕生日。
俺は父親である現炎の国王に呼び出された。
父上の事は尊敬している。
炎の国をここまで豊かで、他国に恐れられる程強大にしたのは、父上だと言っても過言ではなかったから……。
やり方は賛同し難い時もあったが、この国の民にとって立派な国王である事に違いはない。
そんな父上からの呼び出し。
正直、嫌な予感がした。
……けれど。父上が言った言葉は、俺の待ちに待った言葉だった。
「水の国と同盟を結ぼうと思う。
その交渉をお前に任せよう、クウォン」
嬉しくて、嬉しくて……。
これで、ノクテ様と争わなくてすむのだと……。
願いが叶い、約束を果たせ、これからは一緒に歩んでいけるのだと喜んだ。
……馬鹿、だった。
父上がそんなに簡単に考えを変える人じゃないと、分かっていた筈だったのに……。
俺は若くて、未熟で……。
ただ嬉しさが暴走して、父上の言葉を信じてしまった。
数日後ーー。
水の国の持つ砦で、俺はノクテ様と交渉の場を設けていた。
ノクテ様もとても喜んでくれて、同盟の話を快く引き受けて下さって……。
全てが上手くいくと、思っていた時だった。