白き髪のガーネット【改訂版】
***
「……身勝手な、願望ばかりだな」
服の上から左肩の古傷を握り締めるようにしながら、呟く。
あの時、ノクテ様の剣があと少しズレていたら……。命を失っていたのは俺の方だった。
「何故、俺が生きているんだ?
っ……俺には、大切な人を護る力なんて……ないのにっ……」
結局10年経っても俺は変わらない。
父上の言う通りに動く事しか出来ない木偶。
愛おしい人の前で、必死に演技するしかない。ただの、嘘付きの男だ。
……
…………一週間後。
水の国の使いの者が、俺の元へやってくる。
アクア姫からの手紙と、ガーネットのペンダントを持って……。
もう、進むしかないーー。
運命の歯車は、止められない。
「……身勝手な、願望ばかりだな」
服の上から左肩の古傷を握り締めるようにしながら、呟く。
あの時、ノクテ様の剣があと少しズレていたら……。命を失っていたのは俺の方だった。
「何故、俺が生きているんだ?
っ……俺には、大切な人を護る力なんて……ないのにっ……」
結局10年経っても俺は変わらない。
父上の言う通りに動く事しか出来ない木偶。
愛おしい人の前で、必死に演技するしかない。ただの、嘘付きの男だ。
……
…………一週間後。
水の国の使いの者が、俺の元へやってくる。
アクア姫からの手紙と、ガーネットのペンダントを持って……。
もう、進むしかないーー。
運命の歯車は、止められない。