白き髪のガーネット【改訂版】
一度許してしまえば、触れてしまえば……。俺はきっともう自分を抑えきれない。
どんどん、どんどんガーネットが欲しくなって止まらなくなると思った。
すると……。
「ーーちょっと待って。それって、何年後?」
「!……え?」
「え?……じゃないわよッ!!
約束を果たす日まで、って!一体何年かかると思ってるのっ?!それまで私に待ってろって事なのッ……!?」
ガーネットがすごい迫力と勢いで俺に詰め寄り、質問攻めにしてきた。
「大体クウォン!
貴方一体いくつだと思ってるのっ?!もう30歳なんてすぐよっ?
約束を果たしたら!なんて、悠長に構えてたらあっという間におじさんやおじいちゃんになっちゃうんだからねッ?!」
「!っ……」
気付いたら……。俺の胸倉を掴んでグイッと引き寄せて背伸びをしたガーネットに、唇を奪われていた。
「っ……バカッ!
余裕かましてると、優柔不断だと、どっかに行っちゃうんだからッ!」
呆気にとられている俺に、彼女は真っ直ぐな想いと言葉をぶつけてくる。
その熱烈な告白に、目が覚める。今度はヨシュア王の言葉を建前にして、先の分からない未来にガーネットを巻き込む事を避けようとしていた自分に……。
戸惑いも、不安も解き消されてしまう。やっぱり俺にとって彼女は、ガーネットの宝石そのものだ。
「……俺は、例えガーネットがおばあちゃんになっても変わらず愛してるけどね」
「!っ……私だって!」
俺が言葉を返すと、ガーネットは負けじと愛を叫んでくれる。
変わらない一途な愛。
この身が……。
ーーいや。
この魂が失くなるその日まで、俺は彼女を愛し続けようーー。
俺は決意を固めると、ガーネットをお姫様抱っこして耳元で囁いた。
「今夜、俺の本当のお嫁さんになって下さい」
やっと言えた愛の言葉に、彼女は頬を赤らめて頷いてくれた。