水深
「でも、昼食誘ってくれたのは東島(とうしま)さん達が先でしょ。先に約束があるのに羽崎君達と食べるなんて悪いよ」
私は口角を上げ、喋りながら口元に手を持っていく。
「――っ、さすが並木さん!いや。委員長!」
グループの1人、東島さんが感極まったのか抱きついてくる。
「そんな、止めてよ」
「いや私なら絶対、羽崎君に誘われたら行っちゃうよ~」
東島さんに同調するように周りの皆も頷いて私を持ち上げる。
「そんな、」
私は少し謙遜した後皆が笑顔なことを確認して
「さ、早く食べよ。昼休み終わっちゃうよ」
と机に弁当を置いた。