水深
私はノートを数冊、落ちないように持ち直
す。
「いや、用事はないよ。ただ、委員長と話したいと思って来ただけ」
「そっか。でも、私、羽崎君が楽しめる話できる保証ないよ」
(だから、早く帰ってくれないだろうか)
「そこは大丈夫!俺、委員長と居るだけで楽しいし」
「話すの好きだし」
羽崎君は夕日に負けないぐらい眩しい笑顔を向けてくる。
(でも、眩しく見える“だけ”だ。目の奥は全く笑ってない)
(近くで見るとより分かる)
「ふふっ、ありがとう。羽崎君」
「それで、委員長。それ重くないの?」