水深


「お願い!私だけ、まだそれ出せないの」


「ちょっと待ってくれないかな」


「あと、ごめん。私この課題の問題全然分からなくてさ、委員長教えてくれない?」


女生徒は両手を合わせ頭を下げて頼み込んでくる。


(私は眉をひそめないように我慢する)


(なんで今日言うんだろうか。課題の提出だってもう何日も前から言ってたじゃん)


(それに、思い出した。この人昨日友達と遊びに行くからって掃除当番私に押し付けてきた人じゃない)


(でも、しょうがない。私は“委員長”なんだから)


「いいよ。課題の提出少し遅らせれるか先生に聞いてくるね」


「ありがとう。委員長」
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