水深
「委員長が優しくて良かったー」
女生徒は私の返答に安堵したようにその場にへたり込む。
私は羽崎君と視線を合わせる。
「そういうことなら俺はここら辺で退場しようかな。ここまで話相手になってくれてありがとね」
「それじゃ、委員長また明日」
「はい、また明日」
(できればもう話しかけて欲しくはないが)
そのまま私に背を向けて帰ろうとする羽崎君だったが、
「と、あと委員長」
「はい?」
急に立ち止まって振り返る。