水深
「…… ごめん。私の記憶違いかも」
「本当は先生と話してた気がするよ」
「ふーん、じゃあ、残念。これも違うと」
あっさりと私の意見を羽崎は受け入れる。
(…… さっきのは危なかった)
(やっぱり、移動場所を変えるんじゃ駄目か)
(…… 時間をいつも通り早めに行けてたら!)
私は過去の自分を酷く恨んだ。
あの時は運悪く忘れ物をしていて時間もなく、仕方なく移動場所を変えた。
(勿論、アイツの予想通りアイツに会いたくないからだが、)