水深
* * *
「ただいま」
あの後、何がなんだか分からなくなった私はとりあえず家に帰ることにした。
「おかえりなさい。凛」
「今日は随分遅かったのね」
いつも通りの仏頂面で玄関前で母は私に問う。
「ごめんね、お母さん。今日は委員会があって」
「それにしても遅すぎない?」
母に疑惑の目を向けられる。
(ここで、いつもより委員会が長くなってなんて言ったらこの人先生に抗議しに行くよな……)
「その後、ちょっと友達と話し込んじゃって」