水深
そこに居たのは―― 羽崎だった。
(羽崎!)
私は羽崎を反射的に睨み付けそうになってしまう。
「で、どうしたの?」
羽崎は顔を斜めにし何も知らないような顔で質問してくる。
(白々しい)
「なんでお前ここに居るんだよ羽崎」
羽崎と仲のいい男子生徒にそう言われた羽崎は
「いや、お前に本返しに来たんだけど」
「はぁ、お前に俺本貸してたっけ?」
「あれ?貸して貰ってなかったっけ?まぁ、いいや」
「で、この状態は何かあったの?」