水深


(言っても羽崎が否定してますます悪化するのがオチだ)


(むしろ、あっちはそれを望んでいるのだから)


(…… お手上げか)


私は腹を決め生唾を飲み込んだ。


「…… 本当は」


「あー、俺から話す。あの時ね俺、委員長の大切な物壊しちゃったの」


話そうとすると羽崎が私の上に言葉を重ねてくる。


「はっ?」


男子生徒が声を上げる。


「でも、この動画にそんな物出てきてないぞ」


「壊したのはちょっと前だったんだよね」


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