水深


無我夢中に全力疾走で廊下を走る。


羽崎は無言で私に腕を掴まれたまま後をついてきた。


日射しが暑くて、空気が暑くて、自分の体に熱が溜まる。


溜まるのはストレスで充分だと思いつつ私は汗を拭いながらある場所へと辿り着く。


屋上へと繋がる踊り場だ。


ここなら屋上も封鎖されてるし誰の目にもつきにくい。


「ねぇ、委員長」


羽崎の声が後ろからする。


「なんでここに連れて来「なんで、いつも通りなのよ!!」


今度は私が羽崎に言葉を被せる。

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