水深
「なんで、なんで、あんなこと言ったの!」
「委員長。困ってたでしょ」
当然というように羽崎は首を傾げる。
「だからってあんな嘘!」
「俺が好きでついたからいいじゃん」
いつも通り答える羽崎それを見て逆に冷静になる私。
「…… あの動画撮ったのあんたじゃないの?」
「違うよ。証拠は…… ないけど。違うよ」
「あの、鏡は……?」
何故か目に涙が溜まっていく。
「職員室の落とし物箱にあったからパクって割った」
「…… 教室の、聞いてたの?」
「聞こえてきただけ」