水深
「皆の期待に応えて、クラスとか、学校とか、良くしようなんて考え私には全然、ない!」
私は羽崎にしがみ着く。
羽崎はそんな私を拒む気配がない。
私はそれに甘える。
「私が応える理由なんて皆にいい人に見られたいから!」
「内申点を上げたいから!」
「常に笑顔なのは頼りになるように見せてるだけ」
「本当は何も思ってない!」
「本当に笑ったことなんてここ数年ほとんどないし」
「うん」
優しい声が頭の上から降ってくる。