水深
4
「それだけ羽崎は思われてたんだね」
いつもより大分遅く登校した私は羽崎と並んで廊下を歩いていた。
廊下に出て駄弁る生徒はやはり多い。
「ありがたいね」
いつも通りの羽崎。
「…… でもあんたが私を庇ったせいで」
「あんたの信頼落ちたまんまだよ」
犯人は名乗り出たが、私が怒った理由は未だ“羽崎が私の大切な物を割ったから”という理由になっている。
本当のことをクラスメイトに言おうとしたが、それは羽崎に止められた。
理由は
「誰かの鏡パクって割るっていうなかなか悪いことしたんだから」
「それ分の罰だと思えば妥当じゃない?」
らしい。