水深
「ついでに今日用事あるから掃除当番も変わって貰えたら」
昨日、私と羽崎に冷たい視線と言葉を投げてきた女の子の1人だ。
昨日のことをなかったことにして私に頼みにくる神経の図太さに感心する。
「ごめん。今日、私用事あるから無理」
「あと、課題ぐらい自分でやって」
「じゃあね」
いつもの似非スマイルも浮かべず、いつもより低い声のトーンで私はそう言った。
「なっ、何よ!何もそんな言い方ないじゃない」
私がそんな態度を取ると思っていなかったのか女の子はそう捨て台詞を吐いてどこかに行ってしまった。