水深




* * *



「委員長。これ職員室まで持っていってくれ」



夕焼けで赤色に染まった教室に生徒数名と先生の声が響いた。


「はい」



私は数冊ノートを抱えて職員室へと向かう。


「委員長」


と聞き覚えのある声が後ろから飛んでくる。


振り返ろうとすると


「あっ、待って。待って!そのまま振り返らないで当ててみて」


声の主にそれを止められてしまった。


「さて、俺はだーれでしょう?」


声の主はナゾナゾの答えを聞いてくるように私に問う。


「羽崎君?ですか?」


私は頭の中から答えを探し当てた。


「せーいかーい」


横からぬっと出てきたのは羽崎くんだった。










「やっぱり羽崎君でした。で、どうしたの?」

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