私の好きな彼は私の親友が好きで
省吾に引きずられるように入った店は個室のある居酒屋・・
熱いおしぼりを出され、自分の気持ちを抑える為に顔を拭くと、
頭の靄が少しだけ晴れた気がする・・
「俺、陽菜とあれから話してない・・」
「うん。知ってる・・」
「どういう事だと思う?」
少し考え込み省吾が口にしたのは
「運が悪かったのかも・・」
「運?」
「そう、運・・納得は出来ないかもしれないけど・・」
「納得出来ねーよ。」
「美月が居なくなってから、亮介は何か行動したか?」
「・・・」
「俺達は美月の生活すら知らなかった・・でも、桐谷さんは知っていたよね
桐谷さんに聞けば、美月の実家に辿り着いたんじゃないかな
今日の桐谷さんを見ていたら、意地悪で美月の事を隠そうと
していたんじゃないと俺は感じた・・
俺達が、美月自身を知ろうとしていなかった事を
責められているような気がしてた・・」
「俺、桐谷さんに美月の就職先とか、エントリーした会社が何社かとか
聴かれて答えられなかった・・」
「あの時、俺もそれをお前から聴かれて・・考えさせられたよ・・
昔から言わないか?チャンスの神様は前髪しかないって・・俺達は
その前髪を掴み損ねたんだ。」
あんなに美月を思って過ごした5年。
自分の知らない所で、他人の手に寄って俺達の運命は完全にすれ違ってしまった。
熱いおしぼりを出され、自分の気持ちを抑える為に顔を拭くと、
頭の靄が少しだけ晴れた気がする・・
「俺、陽菜とあれから話してない・・」
「うん。知ってる・・」
「どういう事だと思う?」
少し考え込み省吾が口にしたのは
「運が悪かったのかも・・」
「運?」
「そう、運・・納得は出来ないかもしれないけど・・」
「納得出来ねーよ。」
「美月が居なくなってから、亮介は何か行動したか?」
「・・・」
「俺達は美月の生活すら知らなかった・・でも、桐谷さんは知っていたよね
桐谷さんに聞けば、美月の実家に辿り着いたんじゃないかな
今日の桐谷さんを見ていたら、意地悪で美月の事を隠そうと
していたんじゃないと俺は感じた・・
俺達が、美月自身を知ろうとしていなかった事を
責められているような気がしてた・・」
「俺、桐谷さんに美月の就職先とか、エントリーした会社が何社かとか
聴かれて答えられなかった・・」
「あの時、俺もそれをお前から聴かれて・・考えさせられたよ・・
昔から言わないか?チャンスの神様は前髪しかないって・・俺達は
その前髪を掴み損ねたんだ。」
あんなに美月を思って過ごした5年。
自分の知らない所で、他人の手に寄って俺達の運命は完全にすれ違ってしまった。